神様、不公平過ぎだから!



「なんで? なんで? 超いいな~」



三人は姫梨ちゃんの周りを取り囲みながら質問を投げかけていた。



「大した事じゃないんだけど、知り合いがこのアクセサリーのデザインしてて、けど、これ形が若干悪いらしくて売り物にはならないからって理由でくれたんだよ」



姫梨ちゃんは、笑いながら話しをした。



「えー、いいな」




「姫梨ちゃんって、ホントすごいよね~」




「勉強も出来るし、モデルもしてるし、ピアノも上手いし」



三人は、姫梨ちゃんを褒めまくっていた。





けど、その言葉に姫梨ちゃんは一瞬、ほんの一瞬だけ顔を歪ませていた。






姫梨ちゃんはお金持ちだし、現役モデルだし仲良くしておけば、姫梨ちゃんに気に入られば色々お得だから……。




って考えがこの三人だけじゃなく、クラスみんなにあって……。






みんな、姫梨ちゃんのご機嫌を伺う。退屈な学校生活を少しでも楽しくしようと、進んで姫梨ちゃんが喜びそうな事をする。





それが、どんなに間違った事でも。




「…………………」







そんな光景を一歩下がった所から眺めるあたし。







胃がキリキリ痛む。







また、あの日常が始まってしまう……。







唇をきゅっと噛み締めて、姫梨ちゃんの後を着いていこうとした時。





ドカっっっ!!!