「 そこ、座ろっか 」


私はそう言って、玄関にあるベンチに座った



「私ね、ハルノちゃんが桐田くんに告白されてた時、忘れ物取りに行ったの。そしたら、ユウヒくんがドアをバンって開けて、引っ張り出して。 中に入ったら、桐田くん泣いてて」


「 泣いてたの!? 」


驚いた。 私は、人を傷つけていた。


「 うん。 だから、告白してたんだな、って思った。本当は、された場面とか見てないの。雰囲気でさ。 でも、そんな桐田くん見てた時、ハルノちゃんが羨ましくて、そんなハルノちゃんがむかついた。 」



黙って聞いていた。


シノちゃんは涙声で、私も悲しくなってきた。


「だってさ、彼氏いるのに。ユウヒくんいるのに、桐田くん達といるし、告白されてるし、何よりむかついたのは、返事しないで気まずい雰囲気のままなのが。」


何も言い返せない、


ほんとのことを言われて、私は、どうすることも出来なくて。


「私だって、ハルノちゃんみたいに桐田くんと話したいし、告白されてみたかった。」



「でもね」


続けてシノちゃんは、



「 振られたの、私。 好きっていう間もなく」