Heaven~第一章~

ブーブーと鳴る音に目が覚めた。
手元にあったスマホの画面を触り時間を確実した。

……2時か、

上半身だけ起こし画面をスクロールした。
着信は獅朗から。

あ……
返事の催促かな。
まぁ、気が付かなかったことにしよう。
こんな時間にかけてくる獅朗も悪いんだし。

それより喉渇い……

キッチンに行こうと部屋のドアを開けると珍しく学の声が聞こえた。



「何言ってんすか。………まぁ、大切な女ですよ。………蓮沼さんだってそうでしょ?リサさんのこと」



そう言って電話の相手と笑っていた。

別に盗み聞きするつもりはなかったけど、出るタイミングを逃した。



「マジ頼みますよ。………はい、その時は蓮沼さんが面倒見て下さいよ。………どうせ抜けたら暇じゃないですか。……俺は働きますよ。この家にニートは二人必要ないんで」


あ、私のことか……

少し気まずくなり静かにドアを閉めベッドに潜り込んだ。