Heaven~第一章~

着替えをして、久しぶりに化粧もして、

「学、準備出来たよ」

リビングに行くと待ちくたびれたように「おせぇよ」と学がソファーから立ち上がった。

そして、学と二人で久しぶりの外出。
あんなに気になっていた周りの目も気にならない。

堕天使だろうが何だろうが学は学だ。
椿姫だろうが何だろうが私は私だ。

全てを知らなくても惹かれ合うのには関係ない。

学が何者でも構わない。
極悪非道でも私を傷つけない。
私には嘘をつかない。
それなら、誰が何を言おうとそれが学だ。


「椿、大丈夫か?」

私は親指を立てて学に見せた。

その姿に「飲めねーのに飲むからだよ」とゲラゲラ笑う。

だって、気分が良かったんだもん。
学と出会えたことが嬉しいんだもん。