Heaven~第一章~

「とりあえず、それは椿に返しておく」

「分かった」

「椿が話すまで待つけど、ジジィになる前に言ってくれよな」

口角を上げ優しく瞳を細めた。

「分かってるよ」



少しずつ……――
少しずつ……――

目には見えないけど確実に私は変わっていた。

学の優しさに守られて……

"好き"だの"愛してる"なんて甘い言葉を学から聞くことはなかった。
だけど、そんな不確実な言葉より、
私を心配して、
私を信じていてくれる。
そんな学の言葉の方が数倍嬉しかった。


「よしっ!じゃあ、飯でも食いに行くか?」

「学の奢りでしょ?」

「ニートに払わすわけにはいかねーからな」

「やったね。じゃあ、着替えてくる」

久しぶりの外出にテンションが上がる。