「―――!!」

「―――!」

「――」

「―――」

「―――!!!」


んんっ……――

聞き覚えのある声……
瞳を開けると頭の痛みで視界がまだぼやける。

っつ、あの男思い切り殴って……

後頭部を押さえようと腕を動かそうとしたら……

何これ……――

両腕はロープでベットに縛り付けられ身動きが取れなくなっていた。
視線だけを声の方へ向けると。……

あの男の背中越しに学と獅朗の姿が見えた。

二人の姿に嬉しいより不安になった。
男が言っていたことが現実になりそうで、


「学、獅朗!」


声を上げると二人の視線が私に向く。
そして、男もゆっくり振り向き「椿姫がお目覚めだね」と琥珀色の瞳がいっそう輝きを見せる。

不気味なほどの輝きに男から視線をそらした。