Heaven~第一章~

「バイト辞めたのかって聞かれたから、一週間前に辞めたって」

「他には?」

「連絡しないでっ言って切ったから……」

チッと舌打ちをしてリビングにあるソファーに座った。

「なんか、まずいこと言った?」

「いや、言ってないから大丈夫だ」

「なら良いけど……」

その日の学はおかしかった。
細かく私の行動を聞いて、外出もしないように言われた。
それが獅朗のせいだと思っていたけど、本当は違っていた。

獅朗からの連絡の目的もバイトのことや学のことじゃなかった。

もっと自覚しておくべきだった。

今、一緒に住んでいるのが堕天使の桐谷学だって言うことを。
Heavenの久辺獅朗と顔見知りだと言うことを。

もっとちゃんと……――

学にあんな顔をさせないですんだのに……――
獅朗にもあんな想いをさせずにすんだのに……――

全部、
私が悪いんだ……――