なんかいたたたまれなくて 「じゃあ、俺はこれで」 そう言って帰った。 けど、あいつは俺を引き止めた。 髪はぐしゃぐしゃなのに真剣に 「名前教えて」なんて言うからおかしくておかしくて笑ってしまった。 それになんかうれしかったんだ。 俺はあいつの名前も聞いた。 〝陽良由真〟 由真。 心の中で呼んでみる。 「またな」って言っちまった。 あいつは不思議に思っただろうな けど、俺はこんとき 〝また、会いたい〟そう思ったんだ。