オフィスの恋愛事情

「ほれ、一年前に、俺たち、やったじゃん」




にこっとして、有り得ないことを言うところは、今も変わってない。




「はぁー、碧君ってほんっと、ムードないね。まあいいムードになりたいわけじゃないから、いいけど」





「そうかな?」




「そうかなって、手、離そうね」




そう言って、私は自分の手を引いた。




それから、また黙って、外の景色を見ていた。




碧君は、突然に、左手で私の身体を包んだ。



碧君の胸に、顔が隠れて、心臓の音を、聞いた。




どくどく波打つ、その鼓動は、激しく私を揺り動かした。




まただ。