「迷惑なんかじゃ、なかったのに、ごめん」





碧君は、片手を振って、それから、出て行った。



部屋の隅に、隠してあったらしい、一輪のピンクのバラのブーケがあったのに、気が付いた。



私は、それを手にとって、花びらを一枚づつ、剥ぎ取った。




「ごめんね、碧君」




私は、涙が流れるのを、止めることが、出来ない。