「神宮寺さんには、言うなよ」




「言うよ、もう終わりだよ」




「駄目、言ったら、神宮寺さん、傷つくだろ。誰も得しないよ。みなおがすっきりして、楽になるだけだ」




「でも、秘密とか、嘘とか、私には、無理だよ」




「嘘なんて、付かなくていい。ただ、なんも言わなければいい。それが、神宮寺さんへの、誠意だよ。みなおが罪悪感で苦しむだけなんだから」





碧君は、すっと立ち上がって、食べ終わった食器やら、ごみやらを、片付けた。




「いいよ、片付けなくて」




「立つ鳥、後を濁さずだから」




「なにそれ」




「みなおに、迷惑かけたくない」