家に帰ってからも、碧君が本当に来るのか、気になってしょうがなかった。




こないで欲しい、もう、私のこと、困らせないで欲しい。



そう思いながらも、心のどこかで、碧君に会いたい自分がいた。



7時を過ぎた頃、碧君が私の部屋のドアを、小さく叩いたのが、わかった。




憂鬱になりながら、それでも、ゆっくりとドアを開けた。





そこに立っていたのは、ワインと、テイクアウトの食事を持った、碧君だった。



「待たせた?」




「ま、待ってないよ」



「そうなの、俺のほうは、みなおに会いたくて、急いできたんだけどな」



不意にウインクされた。大きい目が、私を覗き込む。