誰かが悲しくて泣いている時に、こうして天使はそばにいてくれる。そっとなぐさめてそばにいてくれるだけで、いい。
嬉しい涙を流しながら、やっぱり天使は、天使なんだと思う。
泣きじゃくって落ち着いたら、天使がジュースを渡してくれた。こんな気づかいができるのは相手のことをよく知っているからだ。
あたしはとれだけ天使のことを知っているだろう?
「ねえ結香ちゃん、ジェットコースターって動力はなに? 」
「位置エネルギーだよ。ジェットコースターは始めの坂を登るまでしか動力を使ってないの。位置エネルギーを坂を下ることで運動エネルギーにに換えて後はそれを坂を登り降りすることで入れ替えてコースを走り切るの。はじめに登りきった坂の位置エネルギーだけでコースを走って終着点にぴたりと止まるの」
たとえばこれからどんな道があっととしても、最後にはぴたりと天使のもとにたどり着くんだろう。
はじめから天使が敷いたレールを走っていたのだとしても、あたしは天使が好きだ。
あたしのことをここまで理解して好きでいてくれるのは、天使しかいない。
あたしも相当天使に入れ込んでいる。天使のような笑顔で天使はあたしの中に入ってきて、誰よりも大切な人になってしまった。



