「ただ天使が……海堂くんがそういうことするとか考えたことなくて……」
あたしの中では、天使はずうっとキラキラしててそういう俗世間の恋愛とかとは無縁の生き物だった。
ずうっと純粋で綺麗なままで、大人にならずに妖精にでもなってしまいそうな。
「僕はずっと結香ちゃんが好きだった。みんなが遠巻きにして見てるのに、結香ちゃんだけは遊ぼうって声をかけてくれたから……それから今でもずうっと好きだよ」
気が付けば天使が迫ってきていた。後ずさると背中が壁に当たる。
とん、と天使が壁に手をつく。さらには肘を曲げて囲いこまれてさらに密着する。
「それじゃあ僕を好きになって」
天使が色気ダダ漏れでドキドキしすぎる。心臓がバクバクしすぎて倒れてしまいそうになる。
「近い、近すぎるってば」
「わざとだよ。結香ちゃん顔真っ赤でカワイイ。もっと僕を意識して」



