「甘味がついているから、炭酸水で割れば苺ソーダになるのよ」


そう言って出てきたのは、フルートグラスに注がれた苺ソーダだった。ピンクの液体からは泡がたちのぼっていて、なかに沈められたラズベリーも銀色の泡がキラキラとして宝石のように綺麗だった。


「ママの飲んでるシャンパンみたい。ピンクでカワイイ! 」


きゃーと一気にテンションが上がる。あたしは美味しいもの、カワイイものが大好き。落ち込んでいても、美味しいものを食べたら元気になるから、現金だ。


キャーキャー喜んでいたら、隣の天使がパソコン画面を天使ママに向けて「これやってもいい? 」と聞いていた。


あたしと同じように置かれたお皿やグラスには目もくれないで、ずっとパソコン画面を見ていたのはなんとなくわかっていた。

でも何をしていたのかまではわからなくて、画面を覗き込むと、空手道場の入会案内画面だった。