桜舞う季節

「紅愛の声!どこから‥?」

部屋をぐるっと見渡すと、アレキサンドライトの赤い輝きがさらに増し、天井にその光が集められた。

「紅愛が残した最後のメッセージだね。」
「すごい‥。」

十和と奈々海が分かったような口をきく。

『紅音ちゃん!!多分、今私の声を聞いているってことは、私はもう結構前にお空へ旅立っちゃったのかな!
紅音ちゃんは知らないかもしれないけど、私、生まれつき身体が弱くって、十歳まで生きられないだろうってたのいわれてたの。
その事を知ったとき、神様を恨んだよ。だけど、私に残された僅かな時間を一生懸命に生きようって!
それで、いつか紅音ちゃんとまたお話ができるように、この仕掛けを考えたんだ!凄いでしょ!!

あんまり長く話していると疲れちゃうから、この辺で終わりにします。

最後にもう一つ!

紅音ちゃんは、私が生きることの出来なかった日々を、一生懸命に生きてね!!

お誕生日おめでとう!"紅音"』

‥なにそれ。思わず私は呟いた。

「紅音‥?」
「だって、おかしいじゃん。なんで、忘れちゃうんだろう。」

そこまで言って、一呼吸置いてから私は言った。

「私の誕生日、明日だよ、紅愛。」

私の頬を、一筋の涙がつたった。
悲しみの涙ではないことまでは分かったが、なんで急に涙が出てきたのか、言葉に表すことが出来なかった。