「ふっ...」

翔は龍の持っていたみかんジュースを飲みほし、ゴミ箱へ投げた。

「なぁ、龍の父さんよぉ。そうやって龍たちに恐い人演じてなにが楽しいんだよ?ほんとは遊びたいんだろ。笑いたいんだろ。なんで逆のことすんだよ。」

「ははは。何言ってるんだ。怒らせたらどうなるか分かってるだろ~?」

「まぁ、いい。早く母さんと話せよ。」

翔はそう言って帰っていった。

一人残された父は悔しさを覚えた。

そうなのだ。

図星である。

自分は龍とまた遊びたい。

また笑いたい。

海斗とも仲良くしたいし、心からお父さんと言ってほしい。

ん?

また?

そうだ、俺は一度...龍と遊び笑ったことがあった。