「またパシり。」

「龍!」

「もってあげようか?」

「大丈夫。どうせ持ってくれないの分かってるし期待したって無駄無駄。」

「...今日は持つよ。」

「ありがと。」

私は珍しく嘘をつかない龍に驚きながらもカバンを預けた。

「じゃあ..一緒に教室まで。」

龍は愛花のカバンを肩にのせ、うん、と呟いた。

「部活、決めた?」

「ん。バスケ。」

「そっかぁー。私はまだかな。」

「やれば?」

「えっ?」

「マネ。」

「バスケの?」

「それしかないだろ。それにお前がいたらいつでも笑えそうだし。」

「じゃ、そーしよっかな。」

「美修亜。」

私はさっきから静かすぎて優しすぎる(でもかっこいい//)龍に驚きを隠せなかった。

「辛かったら泣けよ。俺がそばにいるから。」

「その言葉、忘れないでよ。でも私、泣かないから。辛くても笑うよ。辛いときは龍のそばにいさせて。」

龍は、強がりと言って歯を見せて笑った。

龍はたまに優しすぎる。でもそれも龍の魅力。