真夏お姉ちゃんは、事故死した。

私が青信号になって、たったかたったかと走ったら車が近付いてきた。

車に怖じ気づいて逃げることができなかった。

もう死ぬ、そう思って目をつぶった。

しばらくして目をあけると目の前に車と人が衝突していて瞬間にお姉ちゃんだということが分かった。

お姉ちゃんはすぐ救出され、病院に搬送された。

私はお兄ちゃんにだっこされて皆と病院に向かった。

皆は声を殺して泣いていた。

お兄ちゃんもひそかに泣いていた。

私だけ泣いていなかった。

まだ状況を理解していなかったからだ。