「お兄ちゃんっ!」

龍は顔をあげた。

龍は確かに怯えていた。

「兄ちゃん...まさか自分を責めてんじゃねぇだろうな?」

「俺は悪い子、おかしい子...」

海斗は龍を抱きしめた。

「ふざけんな!悪くもおかしくもねぇ!信じんなよ。」

龍が先生を階段から落としたことは学校中に知れわたった。

陰で龍は、病気だとか、おかしいとか言われることになる。

それを知る龍は二重人格になってしまった。

怯える龍といつもどおりの龍に。