「そんなの誰だって分かる!あんたは育てたい気持ちが強くても子供は苦しいんだ。もし捨てたとする。そしたらどうなる?子供は例えどんな理由であっても捨てられたと思ってこの世にいること自体いやになるんだ。」

龍はどんどん荒くなる。

「龍!そうだとしても言い方きついぞ。もっとやさしく言え。」

「あんたそれでも産む気か?!」

晴香さんは遂に声をあげてなきはじめた。女子は晴香さんに寄り添って、いっそう龍を睨み付けた。

龍はきっと周りが見えていない。

龍が教壇を乱暴に叩き、蹴ったとき信也は後ろから龍を止めた。

「やめろ!龍。この提案自体がだめだったんだ。先生側の責任だ!」

龍は乱暴に信也から離れると教室を出ていった。

「龍!待てよ!」

信也は龍を追いかけていった。