林檎side







目が覚めると見覚えのない白い天井。










「………怜…………?」









私が怜の名前を呼んだら








怜は私を抱きしめてきて







「林檎…………っ、よかった………!」

「え、え?ちょっ……………」






そっか、私は車に轢かれてたんだ。








「もしかしたら今夜が峠かもしれないと言われていたんだ………」






「そっか、じゃあ奇跡が起きたんだね」









私が笑って言うと怜も笑って




「そうだな」



と言った。











奇跡なんて、そうそう起きるものじゃない。






そう思ってたけど







願いが通じれば奇跡は起きるんだって、









そう思った。