君がくれた夏

「ちょ!て、手!?えっ!?」
「…うっさい。はぐれてお前探して、一年に一度の夏祭りが終わるのなんてゴメンだからな。」

蓮夜から言われたお礼よりも、蓮夜のさりげない優しさのほうがビックリした。
 でも…

ギュ…

「早く行こ!」
「…おう。」

蓮夜と手を繋げるのが嬉しかったんだ…
 
って!何を思ってんのわたし!
蓮夜のことなんか好きじゃないでしょ!
う、嬉しいって何よ!?嬉しいって…

でも今は…今だけは、このまま離れたくなかったんだ…

なんだか、蓮夜がどこかへ行ってしまうような気がして…