君がくれた夏

「…明日の花火大会。一緒に行ってやる。お前と。」

ギュ

 連夜の体は、強張っていて『なにしてんの』って、今にも言いそうな顔をしている。
 でも、嬉しかったんだ。すごくすごく。心から。

「ありがと。」

 どうして、わたしが蓮夜に抱きついたのか、蓮夜は『意味がわからない』と今にも言いそうな顔をしている。
 あーあ。また、ファンの子に恨まれちゃうな。

 でも、私は気づかないふりをしていたんだ。自分の胸の高鳴り。胸の鼓動。

「六時半に、ピンポンする!」
「…わかった。」

 嬉しい気持ちと、複雑な気持ちで私は家に帰った。