君がくれた夏

「じ、じゃあね。また、遊びに来るよ。」

 ついに、涙がこぼれた。

「…なんで、泣いてるんだ?」

 もー。出るなよ涙。
 蓮夜には言えない。わたしが、この街の花火を見れるのが最後だなんて。いえない。

「別に!気にしないで!じゃあ!」

パシッ

 私の手首が、誰かに掴まれた気がした。いや、掴まれた。

「…待てよ。…しょうがないから…行ってやる。」
「ふぇ?」

 今なんて?