論が飛び交う街『杏街(キョウマチ)』



国の中心である杏街(キョウマチ)は今日も賑やかだ





広場では何時ものように言葉の戦争が起きている。








「批判は受け止めていきたいなと思うし、参考にしていきたいのです。自分ではわからない自分の悪いところなんてたくさんありますから。でも、ただの悪口は違うでしょう?」




『悪口も批判も同じような気がします。自分が嫌だと感じたらそれは「悪」です。批判も言われて嫌な事があります。結局同類なんです。』




広場の中心いるのは橘(タチバナ)さん。


彼女の気持ちはいつも報われず、一方通行だ




僕は上手い言葉が出ない、自己主張が出来ない弱虫者だから毎日彼女を見て「強いな…」と思う。




「大人しくしてたら舐められて
上からいっても嫌われる。
優しくしたら媚びと言われ冷たくしたら誰も近寄らない。
陽気でいたらチャラいと言われ陰気でいたらつまらないと言われる。

この世界は"残酷"なんです。」







その言葉を、

僕は、

意味を、


知らない。