そうして時だけがたって、卒業が間近に迫っていた。

どうしよう、好きって一言がなかなか言えない。
諦めたら楽なのかな?
でも気持ちだけでも良いから伝えたい。

そうだ、手紙を書いて渡せばいいんだ。それならきっと出来る。
うん、大丈夫。

やまはどんな顔して読むかな?私のこと、好きって言ってくれるかな?

そんなことを想いながら書いた。

とうとう渡す時が来た。

「たかが卒業したらもう一緒に学校帰ったり出来なくなるんだね。寂しいけどなんか、想像つかないや」

話しているうちに本の少し散り始めた桜の咲く分かれ道に着いた。

じゃあ、と別れようとするやまを呼び止める。

「っ、ちょっと、待って」

ドキドキうるさいくらいに高鳴る鼓動を感じていた。

そうして…ーー