きっと何も言わないんだろう。 そして悠斗をとられないようにするだろう。 結局人間はいつだって自分が一番かわいいんだから。 こんなこと考えてしまう 自分が嫌になって下を向く。 「屋上でも行く?」 もともと体調が悪いわけではないので、 屋上に行くしかなかった。 「いいよ!」 さっきの人はもういないはずだしね。 -キィ・・・ 「あー気持ちい!」 グランドが見えるベンチに二人で 腰を下ろす。 「なんだろ、あの人だかり。」