「…に…人、間……?」

「こんなイケメン捕まえといて、それはないだろ」

窓から差し込む薄明かりに照らし出されたのは、精悍な顔立ちをした青年

立派な人間だ。


「さっき、走り去る人影を見たと思ったがやっぱり生存者だったか……怪我はないか?」


その歩調、声、息遣い……すべてが!全てに血が通っている…!!


「驚いたな。とんでもない美人だ」

場にそぐわない陽気な声で、男は言う。


近くにいるだけでわかる

男の脈打つ鼓動、熱い体温


「幽霊でも見たような顔だな?」
「…だっ、て……」

生存者がいるなんて思わなかった

喜びと安堵で膝から崩れ落ちそうになる。