「う-ん、それじゃあ帰りは…」


そう言って悩む彼女に


「あの…あたしが送っていきましょうか?」


あたしは小さい声で名乗り出た。


「えっ!


そこまでお世話になるわけにはいかないよっ!」


…あたしだって本当はこんなことしたくない。


でも彼女に助けてもらった恩もあるしそれに彼女自身が困ってたわけで。


「気にしないでください。


片平様には仕事上少しお付き合いもありますし…


それにちょうど今日の仕事っも終わって今あがろうとしてたところなのでっ」


仕事終わりって言うのは嘘だけど、ちょっと抜けるくらいなら結衣先輩も許してくれると思うし…


そう言えば彼女は少しだけほっとしたような表情になって


「ほんとっ?


それなら本当に申し訳ないんだけど片平君をおねがいしていいかな…?」


そう言って両手を合わせた。