「そんなこと気にしなくていいですから。
あたしのベッド使っていいんでとりあえず先に熱測っちゃいましょう。
あ、スーツかけるなら言ってくださいね、掛けますから。」
そう言ってあたしは春斗さんに体温計を渡す。
「そんな、先輩のベッド借りるわけにはいきませんよ。」
遠慮する春斗さんはやっぱり慣れなくて。
調子が狂うとかそんなの通り越して少し笑みがこぼれてしまう。
何がおかしいのかと不思議そうにする春斗さんに
「いつもは遠慮なんてしないくせに…
こんなときこそ遠慮しないでください。」
そう言ってスーツのジャケットを差し出すように手を出す。