「ねぇ、先生って家どこ?」
ゆっくりと歩きながら
蓮水くんはそう聞いた。
「教えない」
「なんで?」
「あんたストーカーしそうだから」
「っは、まじかよ。やべー、面白すぎ。」
私はあくまで真面目にそう思ったのに
そこで笑う意味がわからない。
「先生一人暮らしでしょ?」
「そうだけど」
「なら、俺よりもっと危ない人いるから、送らせてよ。」
なんで26にもなってこんな若僧に送ってもらわなきゃいけないんだ。
そうは思ったものの、
最近私の家の周りには物騒な話がちらついている。
確かに、若いとは言っても小学生じゃあるまいし、
横に男がいたほうが少なからず安心なんじゃないかとも思った。
「じゃあ、頼んだ」
私は可愛くお願いなんてできない。
ぶっきらぼうに答えると、
蓮水くんは、一言ラジャーとだけ言って笑った。


