年下男子の誘惑


「ねぇ、今日何時まで?」

「11時…」


突然そう聞かれて、思わず反射的に答えてしまった。


「じゃあさ、俺待ってるから、駅まで一緒に帰りましょうよ」


なんでこいつは私が電車だって知っているんだ。


少し眉間にしわを寄せたが


きっと蓮水くんは見ていない。


でも、高校のとき、ずっと私を見てたなら


先生がみんな車やバイクに乗って帰る中、


1人そそくさと徒歩で学校を出ていた私を


彼はずっと見ていたのかもしれない。


(気持ち悪)


そう思って、私は急いで首を横に振った。


違う違う。


まだストーカーとかいうレベルじゃないから


大丈夫、大丈夫。


私は小さくふっと息を吐いて


蓮水くんの目を見た。


「わかった。」


それだけ言うと、蓮水くんがどんな顔をしてるかも見ずに


手元に視線を戻して仕事を再開した。