「はぁ…」
静かに玄関を閉めたあと、
壁伝いに廉に聞こえないように
小さくため息をついた。
花井さんと晴れてお付き合いができて
久しぶりに彼氏ができたというのに
隣人の元教え子に私はなぜ振り回されているんだ。
「やっぱ断るべきだったのかなぁ…」
でもあんなキラキラした目で言われると
どうしても断る気にはなれなかった。
それに、最近廉といる時間が長くなって
少しずつ廉の存在が大きくなっていたのも事実だった。
「考えても仕方ない。私はビール用意して待ってればいいだけ」
自分にそう言い聞かせて
どっしりとソファに腰掛けた。


