「はぁ…」
隣の部屋の玄関が開く音がして
私は溜まったものを吐き出すように
ため息をついた。
「なんでそう優しいかな…」
そんなに優しくされたら
廉の告白を断った理由が
どんどんなくなってしまうじゃないか。
私はもう一度ため息をつくと
リビングに戻り、
テーブルに残されたビールの空き缶を見つめた。
4本なんて今まで空いたことなかったな
なんて、余計なことを考える。
テーブルの近くに行くと
ふわっと廉の匂いがした気がした。
(匂いなんて残しやがって…)
でも、いい匂いするんだよな…
と、また余計なことを考えて、
首を振った。
(歳下は恋愛対象なんかじゃない)
心の中でそう言い聞かせながら
テーブルの上を片付けた。


