それから蓮水くんと仕事が同じになる


火、金、土曜日は


成り行きで2人で帰るようになっていた。


そんな日が続いて1ヶ月後には


ついに同僚にそういった噂が囁かれるようになっていた。


「でさ、実際のところどうなの?」


昼休憩の時間に


社内にあるコンビニで買った弁当をつつきながら


同僚で、わりと仲良くしてもらっている


松田百々子(まつだももこ)に不意に聞かれた。


「え、何が?」


白ご飯を口に含んで


大体話の内容はわかっているが


私はとぼけるように聞き返した。


「何がってあんた、あの男の子と付き合ってんの?」

百々子がそう言ったのを聞いて、


私はおかずと、また白ご飯を飲み込んでから


口を開いた。


「付き合ってないよ。」

「じゃあ何?なんであの子がいる時毎回一緒に帰ってんの?」

「部屋が隣なの。マンションの。」

「部屋隣って…あの子実家?学生でしょ?」

「この春大学生なったばっかで一人暮らし。あんな時間に一人で帰るより学生でも男いたほうが安心でしょ?」


私が逆に言い返すと、


百々子は、まあそうだけどと言葉を濁した。