Rain Black





「あたし達もバカだったよね」
「ね、麻生って名前で気付けばよかった」
「確かにね」



そう言う、彼女達。
優奈を見る彼女たちの目が、憎しみでたまらないかのようなその目に、この話が嘘か本当なのかが分からなくなってきて。

寧ろ、彼女たちが真実を言っているかのようだった。


……何があるっていうの。



「……優奈」
「……ッ、何もないから。何でもないから。だから、先にいつものカフェに行ってて?」
「……分かった。じゃ、先に行って待ってるね?」



その言葉を信じることにした。


そして、私は先に出て行った。