Rain Black





「あたしがあんた達に何したって言うのよ」
「あ――らっ忘れたとは言わせないわよっ!」
「あたしらだって、この学園の人達だって知ってるんだからね!」
「あたしの彼氏を寝取ったくせに!」



……え?

そう言いながら叫ぶ、この女の子。


……まさか。
優奈がそんなことするはずない。
嘘に決まってる。


優奈がそんなこと―――。
私は信じられなかった。
優奈は優しくて、頼りになって、私のそばにいつもいてくれて。

なのに……。



「あなたには大層な味方がいるものね」
「……ッ、何が言いたいの」



でも、優奈のこの表情を見たら……。

ううん。
でも私は優奈を信じたい。

優奈が、そんな事をする訳ないもの。
それでも。