ガチャッと音を立てながら、


「おっはよ!マ――リアっっ」



元気な声と共に現れたのは、同じ学年の姉、美莉愛【みりあ】だ。
高校1年で16歳。
金髪のショートボブに、160cmのモデル並みのスタイル。
羨ましいぐらいのプロポーションを持った、姉。

ただ、ちょっと“やんちゃ”をしている。



「おはよう、ミリア」
「マリア、良い子にしてたっ?」



いかにも私が普段良い子にしていないかのように言うミリアにムッとしつつ。
同い年にも関わらず、いつまでも私を子ども扱いするミリアに、『子どもじゃないんだから』と苦笑いしながら言った。



「でもあたしから見たら“妹”だし!」
「もー…」
「相変わらず可愛いなあっ!」



私が頬を膨らましながら言えば、突然抱き締められた私。

抱き締められることは嬉しい。
…嬉しいけど…とても苦しくて。

そんな私に気付いたミリアが、『大丈夫?マリア』と聞いてくれる。
イヤイヤ、あなたが思いっ切り抱き締めた所為ですけどっ、と言いたいのを抑えて、『大丈夫』と言っておく。

ミリアの愛情表現だと気付いているから。