私と瑛梨ちゃんはそれからもずっと中庭で無駄話…いや、世間話ばかりしていて、気付けば1時間目が終わっていた。
けれど、私たちの間には今まで以上の絆と言うものができたような、そんな気がしていた。
「そろそろ教室へ帰る?」
「そうね、次は数学だしね」
私達は教室へと帰る。
その途中にも、瑛梨ちゃんが『ふふっ、マリアとこんなに話せるなんて思ってもなかったから、嬉しい』と笑う。
それに対して私も、『そうだねっ、私も嬉しい』と素直な気持ちを伝えた。
ようやく分かち合えたような、友達になれたような。
そんな感覚だった。
よかった、瑛梨ちゃんが元気になってくれて。
そう思った。
…すると、
「マリア!瑛梨も、どこ行ってたの?!」
目の前には、待ち構えたように腕組んで立っている優奈の姿。