「じゃあ、瑛梨ちゃん自体は暴走族にもレディースにも入っていないの?」



私はどうしても気になっていたことを聞いた。
すると、瑛梨ちゃんは『うん』と言う。



「双子の兄が入っているの。家族が家を留守にすることが多いから、家に一人でいても退屈だし、彼もいるから遊びに行ってるだけなの」
「そうな……――――って彼?!」



一言も瑛梨ちゃんの口から彼氏の話とか聞いた事が無かった私はビックリした。
やっぱりいたんだ、と。



「……あたし、彼氏いるって言わなかったっけ?」
「言ってないよ!彼、かっこいいの?」



私がそう聞くと、瑛梨ちゃんは顔を赤くして、『うん、いつも守ってくれるんだよ』と今までに見せた事が無いような表情で私に言った。
その姿は、恋する女の子だった。

ま、瑛梨ちゃんは容姿も綺麗だし、彼氏の1人や2人いても不思議じゃないよね。
これって完全惚気だよね。
そう思いながら私は『そうなんだね』と笑っておいた。