Rain Black





でもミリアやユキ兄が入ってから、たまに話を聞いて見方も考え方も変わった。
暴走族と言うものに対して。
見たこともないくせに、変な偏見を持っていただけなんだと思った。
例え暴走族でも、心のある1人の人間には関わりないのに。


でも、だとしてもアイドルグループなどには到底程遠い存在だった。
ごめんなさい、アイドルの人!と思いながら『そうなんだ』と言う。



「だとしても私は別に気にならないけどな」



その私の言葉に、『えっ?!何でよ?』と優奈が驚きの表情を浮かべながら、私が今言った言葉を聞く。

何でと言われても、言い難い。



「確かにちょっと怖いけど、暴走族であろうが何であろうが心のある1人の人間だもの。きっと、話せばその考え方は変わると思うの。それに、『暴走族だから』って変な偏見はつけちゃいけないと思うの」



そう、優奈の瞳を真っ直ぐに見つめて答えた。


それは、私自身がそうだからこそ言えることだと思ってる。
変な偏見を付けられている気持ちがわかるから。



「でもね、マリア。絶対に暴走族なんかに関わっちゃだめよ?関わって絶対に良いことなんてないんだからね?!特にマリアは可愛いんだから危ないの!瑛梨だってそう思うでしょ?」



優奈はいつにもないぐらいのマシンガントークの後に瑛梨ちゃんに振った。
瑛梨ちゃんは、


「……そうね」



少し間をあけて言った。
そんな瑛梨ちゃんに、様子が変と感じた。
いつもなら『そうよ、ちゃんと気を付けてよ』とか優奈と一緒に私に諭すはずの瑛梨ちゃんが。