「本当に申し訳ないけれど、無理だよ!」
「こんなお堅い頭の集まりな高校じゃ、合コンに行きたいなんて思う人いないのよ!」
そう言って終いには泣きつかれる始末。
何でそんなに泣き付いてまで…とも思うし、私だってそっちよりなんだけどなあと思いながらも、その輪の中にカウントされていない私はとても可哀想だなと自分で思った。
コレだけ必死に頼んでいるんだし本当に人数が欲しいんだろうなと言うことは私にもわかる。
こんなこと、私からは絶対に起こすことなんてないし、ちょっとだけ興味はあるから、せっかくの機会だし行ってあげたいのは山々だけど…。
「ごめんね、協力してあげたいところなんだけれど、私、兄がそう言うことに関しては口うるさくて」
少し話を盛りすぎたけれど強ち間違っていないから最終手段を使って断った。
すると、『…そっかぁ』と言って二人は行った。
何とか逃れたようだ。
よかった、と思ったのは言うまでもない。
ほっと一息を吐くと、『大変だったね』と言って私の席に近付くのは、さっき別れた優奈だった。
「…優奈、見てたなら助けてよ!」
「あたしだって行きたくないもん」
私は優奈さんの身代わりですかっ!?
そう思いながらも、『断れてよかったね。あんなのに参加したら危なかったよ、マリア』と優奈は言う。
その言葉の意味が分からずに、私は優奈に『どういうこと?』と問う。
「未来や笑那たちが行くのは“炎狼【えんろう】”の幹部達が集まる合コンよ?行かなくて当然よ」
「最近あの二人、幹部クラスとの合コン組みまくってるって噂だもんね」
瑛梨ちゃんもいた。
瑛梨ちゃんも聞いていたなら、助けてくれてもいいのに!と心の中でそう思った事は秘密。
二人からはあまり聞き覚えのない単語たちがたくさん出てきた。
「“炎狼”って何?」
私は素直に分からなかった単語を聞くと、二人は溜息を吐く。


