「あのね、マリアにお願いがあるの!」
「あたしたちの、一生のお願い!」
「どうしたの?」
そんなふうに言うぐらいだから、一体どんなお願いなのかと思いきや。
「一緒に合コンに来てほしいの!」
二人ともニッコリと笑顔を浮かべて、そう言われた。
……合コン…?
合コン――ッ?!!
その単語に驚きながら、
「無理!無理だよ!」
必死で拒否した。
「そこを何とか!」
「絶対に無理!」
生まれてこの方そういったものには参加したこともなければ、必要だと思ったこともない。
だからこそ、お願いと言われてもどうしたらいいのか分からないし、行く気もない。
でも二人は、『お願い!頼めるの、マリアだけなの!』と言って顔を近づけられる。
それには、必死さを感じる。
けれども。
「無理!絶対無理だよ!」
仮にこの押しに負けて、『合コンに参加する』なんてユキ兄にバレたら、絶対に怒られることなんて目に見えてるし、言わずに参加してバレてしまったら、信用してくれなくなってしまう。
優奈たちと遊びに行くことができなくなってしまう恐れがある。
それだけは何としても避けたい。
だからこそ私は全力で拒否した。


