「優奈、瑛梨ちゃんに会った?」
「ううん、会ってない。瑛梨、まだ来てないんじゃない?最近よく寝坊とかするし…」



櫻井 瑛梨【さくらい えり】
私と同じクラスで私や優奈と仲が良い。
頭は良いし、綺麗系で、クールビューティーな完璧な瑛梨ちゃんは私の憧れ。

しかし、最近遅刻が多い。
前、『最近具合悪いの?』と聞いたけれど、『ううん、ただの寝坊。気にしないで』と笑って言っていたから特に気にしてはいなかった。
だけど、いかに言っても多い。
だから私は、瑛梨ちゃんが心配だ。



「瑛梨ちゃん、大丈夫なのかな…」


私がそう呟くと、


「大丈夫じゃなかったらココにいないわよ」



急に後ろからそんな声が聞こえて。



「きゃ――ッ!?」



私はビックリして叫んでしまった。
周りでは、『どうしたんだろう』とか、『何かあったのかしら…』とかと騒がれた。

なのに、『瑛梨、おはよう』『おはよう、優奈』と私をスルーして、挨拶してるお二人さん。



「ホント、朝っぱらからヒドイね……マリア」
「だって…だって!後ろから出てくるなんて反則だよ!瑛梨ちゃん!!」
「反則も何も、マリアが驚くのが悪いのよ」



笑いながら言う、瑛梨ちゃん。