「…………」



「だから、年に数回、おじいちゃんおばあちゃんと一緒のときだけは、我慢することにしてて……」



「んー。
でも、近くに、同じ服のヤツはいなかったと思うけど?」



絢斗は、考えるように視線を斜め上に向けた。



「あ、それは。
あの映画、あたしだけ2回観たから」



「え?」



「あの前の時間、みんなで観たの。
お兄ちゃんのマンガが初めて映画になったものだから。
でも、あたしは、どうしてももう一回観たくて……。