お兄ちゃんの体からあふれるあまりにドス黒いオーラと圧力に負けて、あたしはじりじりと後ずさった。 「結愛が、さ。こんないい暮らしが出来てんのは、誰のおかげ?」 「…………」 お兄ちゃん、それは、言っちゃいけないことじゃ……。 「"制服が可愛い”っていう、ただそれだけの理由で行きたがった、超お嬢様高校の学費。誰が稼いでやってると思ってんの?」 「そ、それは……」 ――お兄ちゃんですけど……。