でも……。



破るなら、どうか、あとにしてください。



お兄ちゃんは、あたしの大事な人だから。



そんな思いを込めて、ギュッと強く手を掴んで……。



あたしは金髪さんの目を初めてジッと見た。



それが、なんのとりえもないあたしにできる、唯一できることだと思ったから。