「じゃー、聞くけど。
俺は、悲しんでもいいわけ?」



絢斗は、あたしの話の途中で、さえぎった。



「おまえがいなくて。
センパイ達に連れて行かれたって聞いて。
心臓が止まりそうになった」



「…………」



「もし、おまえが襲われてたら……って。
もし、もう手遅れだったら……って。
気が狂いそうだった」



「…………」



「今回は……。
そういうのじゃなかったみたいだけど。