「彼女さんの具合はどうですか?」




吸入の準備をしていると、
暇そうにしている優苗が尋ねてきた。




「ああ、沙衣は大丈夫だよ。………優苗って沙衣に会ったことないんだっけ?」




「結局一度も無いですねー。早く会いたい」




「今度ね……って人の体調より、今は自分のことを心配して」




「別にいいじゃないですか」





「………はい、完了」



吸入器のセットが終わり、
スイッチを入れる。